労働基準法・労働安全衛生法

問1

使用者は、労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも何日前に解雇の予告をしなければならないか。次の中から正しいものを1つ選べ。

  1. ア 14日前
  2. イ 20日前
  3. ウ 30日前
  4. エ 45日前
  5. オ 60日前
正解
ウ 30日前(労働基準法第20条)
使用者は労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告しなければならない。予告しない場合は、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払う。ただし、試みの使用期間中(14日以内)、天災事変・労働者の責に帰すべき事由がある場合は例外として即時解雇が認められる(労基署長の認定が必要)。
問2

継続勤務6か月以上で全労働日の8割以上出勤した労働者に付与される年次有給休暇の日数として、正しいものを選べ。

  1. ア 5日
  2. イ 7日
  3. ウ 10日
  4. エ 12日
  5. オ 14日
正解
ウ 10日(労働基準法第39条)
年次有給休暇は継続勤務6か月・全労働日の8割以上出勤で10日付与される。その後、継続勤務1年6か月で11日、2年6か月で12日、3年6か月で14日、4年6か月で16日、5年6か月で18日、6年6か月以上で最大20日となる。時効は2年(翌年度まで繰り越し可)。
問3

時間外労働が月60時間を超えた部分に対する割増賃金率として、正しいものを選べ。

  1. ア 25%以上
  2. イ 35%以上
  3. ウ 50%以上
  4. エ 60%以上
  5. オ 75%以上
正解
ウ 50%以上(労働基準法第37条第1項ただし書)
通常の時間外労働の割増率は25%以上。ただし、1か月の時間外労働が60時間を超えた部分については50%以上の割増賃金が必要。深夜(22時〜5時)と重複する場合はさらに25%が加算される。休日労働の割増率は35%以上。
問4

常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任が義務づけられているものの組み合わせとして、正しいものを選べ。

  1. ア 安全管理者と産業医
  2. イ 衛生管理者と産業医
  3. ウ 安全衛生推進者と産業医
  4. エ 衛生管理者と安全衛生推進者
  5. オ 産業医のみ
正解
イ 衛生管理者と産業医(労働安全衛生法第12条・13条)
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者産業医の選任が義務付けられる。また、衛生委員会の設置も必要。安全管理者の選任は製造業等で常時100人以上が必要。安全衛生推進者(衛生推進者)の選任は10人以上50人未満の事業場。
問5

賃金支払の5原則に含まれないものを選べ。

  1. ア 通貨払いの原則
  2. イ 直接払いの原則
  3. ウ 全額払いの原則
  4. エ 毎月1回以上払いの原則
  5. オ 最低賃金払いの原則
正解
オ 最低賃金払いの原則(賃金支払の5原則に含まれない)
賃金支払の5原則(労基法24条)は、①通貨払い、②直接払い、③全額払い、④毎月1回以上払い、⑤一定期日払いの5つ。最低賃金に関する規定は最低賃金法に定められており、賃金支払5原則には含まれない。

労働者災害補償保険法

問1

業務上の負傷により休業した場合の休業補償給付について、正しいものを選べ。

  1. ア 1日目から給付基礎日額の60%が支給される
  2. イ 3日間の待期期間後、4日目から給付基礎日額の60%が支給される
  3. ウ 1日目から給付基礎日額の80%が支給される
  4. エ 7日間の待期期間後、8日目から給付基礎日額の60%が支給される
  5. オ 給付基礎日額の全額が支給される
正解
イ 3日間の待期期間後、4日目から給付基礎日額の60%が支給される(労災保険法第14条)
休業補償給付は、業務上の傷病のため療養中で就業できない場合に支給。3日間の待期期間後、4日目から給付基礎日額の60%が支給される。なお、待期3日間は事業主が平均賃金の60%を補償する義務がある(労基法76条)。特別支給金(20%)を合計すると実質80%相当となる。
問2

労災保険における特別加入の第2種に該当する者として、正しいものを選べ。

  1. ア 常時300人以下の中小事業主
  2. イ 一人親方等(個人タクシー業者など)
  3. ウ 海外派遣される労働者
  4. エ 家内労働者
  5. オ 農業の事業主
正解
イ 一人親方等(労災保険法第33条)
特別加入の種別:第1種=中小事業主等(製造業等で常時300人以下)、第2種=一人親方等(個人タクシー、大工・左官等の建設業一人親方、農業者等)、第3種=海外派遣者。特別加入団体または労働保険事務組合を通じて申請が必要。
問3

傷病補償年金が支給されるのは、療養を開始してから何か月後も治癒しない場合か。

  1. ア 6か月
  2. イ 1年
  3. ウ 1年6か月
  4. エ 2年
  5. オ 3年
正解
ウ 1年6か月(労災保険法第18条)
傷病補償年金は、業務上の傷病について療養開始後1年6か月を経過してもなお治癒せず、傷病等級1〜3級に該当する場合に、休業補償給付から自動的に切り替わって支給される。請求ではなく職権により支給決定される点が特徴。
問4

通勤災害に関する記述として、正しいものを選べ。

  1. ア 通勤中に日用品の購入のためにスーパーに立ち寄った後の帰路は、通勤とは認められない
  2. イ 通勤とは、就業に関し住居と就業場所との間を合理的な経路・方法で往復することをいう
  3. ウ 通勤災害の場合、療養給付には一部負担金が不要である
  4. エ 通勤には複数の就業場所間の移動も含まれない
  5. オ 逸脱・中断があっても通勤と認められる場合はない
正解
イ(労災保険法第7条)
通勤とは「就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路・方法で往復すること」(複数就業場所間の移動も含む)。逸脱・中断がある場合は原則として通勤とならないが、日常生活上必要な行為(日用品の購入・医療機関への通院等)は例外的に逸脱・中断の前後を含めて通勤と認められる。通勤災害の場合の療養給付には200円の一部負担金がある(業務災害と違い)。
問5

遺族補償年金を受けるべき遺族がいない場合に支給される遺族補償一時金の額として、正しいものを選べ。

  1. ア 給付基礎日額の500日分
  2. イ 給付基礎日額の700日分
  3. ウ 給付基礎日額の800日分
  4. エ 給付基礎日額の1,000日分
  5. オ 給付基礎日額の1,200日分
正解
エ 給付基礎日額の1,000日分(労災保険法第16条の6)
遺族補償一時金は、遺族補償年金を受けるべき遺族がいない場合、または遺族補償年金の受給権者が失権し、年金の合計額が給付基礎日額の1,000日分に満たない場合に差額が支給される。給付額は給付基礎日額×1,000日分(またはその差額)。

雇用保険法

問1

雇用保険の一般被保険者となる要件として、正しいものを選べ。

  1. ア 週所定労働時間15時間以上・雇用見込み1か月以上
  2. イ 週所定労働時間20時間以上・雇用見込み31日以上
  3. ウ 週所定労働時間25時間以上・雇用見込み2か月以上
  4. エ 週所定労働時間30時間以上・雇用見込み3か月以上
  5. オ 週所定労働時間20時間以上・雇用見込み1か月以上
正解
イ 週所定労働時間20時間以上・雇用見込み31日以上(雇用保険法第6条)
雇用保険の被保険者となるには、①週所定労働時間20時間以上、②同一事業主に31日以上の雇用見込みがあること(どちらか一方でも欠ければ適用除外)。昼間学生は原則適用除外(夜間・定時制・通信制学生はOK)。
問2

自己都合退職による基本手当の給付制限期間(5年間に2回目まで)として、正しいものを選べ。

  1. ア 1か月
  2. イ 2か月
  3. ウ 3か月
  4. エ 4か月
  5. オ 6か月
正解
イ 2か月(雇用保険法第33条)
自己の責に帰すべき重大な理由による離職(懲戒解雇等)は3か月の給付制限。自己都合退職(正当な理由のない自己都合)は2か月の給付制限(5年間で2回まで。3回目以降は3か月)。特定受給資格者(倒産・解雇等)・特定理由離職者は給付制限なし。
問3

育児休業給付金について、休業開始から181日目以降の給付率として正しいものを選べ。

  1. ア 30%
  2. イ 40%
  3. ウ 50%
  4. エ 67%
  5. オ 80%
正解
ウ 50%(雇用保険法第61条の7)
育児休業給付金の給付率:休業開始から180日間は67%181日目以降は50%(いずれも休業開始時の賃金月額比)。支給対象期間は原則として子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可)。なお、2025年度より「出生後休業支援給付金」が新設され一定期間は実質80%相当の給付が可能となった。
問4

介護休業給付金の支給対象期間として、正しいものを選べ。

  1. ア 同一要介護者につき通算30日・2回まで
  2. イ 同一要介護者につき通算60日・3回まで
  3. ウ 同一要介護者につき通算93日・3回まで
  4. エ 同一要介護者につき通算120日・4回まで
  5. オ 要介護者の数に関わらず通算60日・2回まで
正解
ウ 同一要介護者につき通算93日・3回まで(雇用保険法第61条の6)
介護休業給付金は、要介護状態にある対象家族の介護のため介護休業を取得した場合に支給。同一要介護者につき通算93日・3回まで分割取得可。給付率は賃金月額の67%。育児介護休業法上の介護休業の要件(93日・3回)と同じ。
問5

高年齢雇用継続基本給付金が支給される対象者の年齢範囲として、正しいものを選べ。

  1. ア 55歳以上65歳未満
  2. イ 58歳以上65歳未満
  3. ウ 60歳以上65歳未満
  4. エ 60歳以上70歳未満
  5. オ 65歳以上
正解
ウ 60歳以上65歳未満(雇用保険法第61条)
高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以上65歳未満の被保険者で、60歳時点の賃金と比べて75%未満に低下している場合に支給。支給額は各月の賃金額の最大15%(2025年度以降段階的に10%に引下げ予定)。基本手当受給後に再就職した場合は「高年齢再就職給付金」が適用される。

健康保険法

問1

健康保険の傷病手当金について、正しいものを選べ。

  1. ア 業務外の傷病で休業した場合、1日目から支給される
  2. イ 連続3日休業(待期)後4日目から、標準報酬日額の2/3が支給される
  3. ウ 支給期間は支給開始から連続して1年6か月
  4. エ 有給休暇を使用した日も支給対象になる
  5. オ 業務上の傷病でも支給される
正解
イ(健康保険法第99条)
傷病手当金は、業務外の傷病で療養のために欠勤し報酬を受けられない場合に支給。連続3日間の待期後、4日目から標準報酬日額の2/3を支給。支給期間:支給開始日から通算1年6か月(2022年1月改正)。有給休暇取得日は報酬が支払われるため傷病手当金は支給されない。業務上は労災保険の適用。
問2

健康保険の任意継続被保険者について、正しいものを選べ。

  1. ア 資格喪失日から30日以内に申請する必要がある
  2. イ 資格喪失前日まで1か月以上継続して被保険者であった者が対象
  3. ウ 資格喪失前日まで2か月以上継続して被保険者であった者が対象
  4. エ 最長1年間継続できる
  5. オ 保険料は事業主が半額負担する
正解
ウ(健康保険法第37条)
任意継続被保険者の要件:資格喪失前日まで継続して2か月以上の被保険者であること。申請は資格喪失日から20日以内。継続期間は2年間。保険料は全額自己負担(事業主負担なし)。脱退の申出(2022年1月以降)をしたときは喪失可能。
問3

被扶養者の収入要件として、正しいものを選べ。

  1. ア 年収100万円未満
  2. イ 年収103万円未満
  3. ウ 年収106万円未満
  4. エ 年収130万円未満
  5. オ 年収150万円未満
正解
エ 年収130万円未満(健康保険法第3条第7項)
被扶養者の収入要件:年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)。かつ、被保険者の年収の1/2未満であること(同居の場合)。別居の場合は、仕送り額より少ない年収であること。130万円は社会保険の「扶養の壁」として重要。
問4

健康保険の出産育児一時金の額(産科医療補償制度加入機関での出産)として、正しいものを選べ。

  1. ア 30万円
  2. イ 40万円
  3. ウ 42万円
  4. エ 48万円
  5. オ 50万円
正解
オ 50万円(健康保険法第101条)
出産育児一時金は、被保険者または被扶養者が出産した場合、1子につき50万円(産科医療補償制度加入機関での出産)。未加入機関での出産は48.8万円。直接支払制度や受取代理制度を利用すると、医療機関が協会けんぽ等から直接受け取ることができる。
問5

標準報酬月額の定時決定に用いる報酬として、正しいものを選べ。

  1. ア 1月・2月・3月の3か月間の報酬の平均額
  2. イ 3月・4月・5月の3か月間の報酬の平均額
  3. ウ 4月・5月・6月の3か月間の報酬の平均額
  4. エ 7月・8月・9月の3か月間の報酬の平均額
  5. オ 前年の1年間の報酬の平均額
正解
ウ 4月・5月・6月の3か月間の報酬の平均額(健康保険法第41条)
定時決定は、毎年7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月の3か月間に受けた報酬月額の平均で標準報酬月額を算定し、9月から翌年8月まで適用する。なお、3か月のうち支払基礎日数が17日(特定の者は11日)未満の月は除いて計算する。

厚生年金保険法・国民年金法

問1

国民年金の第3号被保険者の要件として、正しいものを選べ。

  1. ア 第2号被保険者の配偶者で20歳以上65歳未満・年収130万円未満
  2. イ 第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満・年収130万円未満
  3. ウ 第1号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満・年収130万円未満
  4. エ 第2号被保険者の配偶者で25歳以上60歳未満・年収103万円未満
  5. オ 第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満・年収150万円未満
正解
イ(国民年金法第7条第1項第3号)
第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者で、20歳以上60歳未満・年収130万円未満の者。保険料は第2号被保険者全体で負担(自分では納付不要)。第3号被保険者期間は老齢基礎年金の額に反映される。
問2

老齢基礎年金の受給資格期間として、正しいものを選べ。

  1. ア 5年以上
  2. イ 10年以上
  3. ウ 15年以上
  4. エ 20年以上
  5. オ 25年以上
正解
イ 10年以上(国民年金法第26条)
老齢基礎年金の受給資格期間は10年以上(2017年8月から25年から短縮)。保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間(カラ期間)の合計。65歳から受給(繰上げ:60〜64歳、繰下げ:66〜75歳)。満額は2025年度816,000円(40年加入時)。
問3

老齢基礎年金の繰下げ受給による1か月あたりの増額率として、正しいものを選べ。

  1. ア 0.3%
  2. イ 0.4%
  3. ウ 0.5%
  4. エ 0.7%
  5. オ 1.0%
正解
エ 0.7%(国民年金法第28条)
繰下げ受給の増額率:1か月あたり0.7%増(最大75歳まで・120か月×0.7%=84%増)。繰上げ受給の減額率:1か月あたり0.4%減(最大60か月×0.4%=24%減)。繰下げは66歳以降75歳まで、繰上げは60歳から64歳まで。
問4

遺族厚生年金の年金額(報酬比例部分)として、正しいものを選べ。

  1. ア 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の1/2
  2. イ 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の2/3
  3. ウ 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4
  4. エ 死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分と同額
  5. オ 定額(一律600,000円)
正解
ウ 3/4(厚生年金保険法第60条)
遺族厚生年金の額=死亡者が受けるべき老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4。被保険者期間が300か月未満の場合は300か月とみなして計算(最低保障)。中高齢寡婦加算:夫死亡時40〜65歳の子のない妻に加算(2025年度:612,000円)。
問5

国民年金保険料の全額免除を受けた期間の老齢基礎年金への反映割合として、正しいものを選べ。

  1. ア 反映なし(0)
  2. イ 1/4として反映
  3. ウ 1/3として反映
  4. エ 1/2として反映
  5. オ 全額(1)として反映
正解
エ 1/2として反映(国民年金法第27条)
保険料全額免除期間は、老齢基礎年金額に1/2として反映(国庫負担分のみ)。3/4免除→5/8、半額免除→6/8(3/4)、1/4免除→7/8として反映。学生納付特例・納付猶予は受給資格期間に算入されるが年金額には反映されない(0として扱う)。